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『知識ゼロからの西洋絵画史入門』(山田五郎著/幻冬社)




『知識ゼロからの西洋絵画史入門』(山田五郎著/幻冬社/1,300円+税)。



前述の『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』(木村泰司著/ダイヤモンド社)と一緒に購入。
本書は西洋絵画史を代表する29の様式を解説している。ギリシャ・ローマ時代からダダイズムやシュルレアリスムまで幅広く取り上げている。
また、「西洋絵画史」というタイトルながら、同時代の彫刻や建築についても解説していて、実質、美術史の本となっている。

また、「西洋絵画史を変えた3つの発明」として油絵の具、写真、内燃機関(エンジン)についても紹介しており、それらの発明が絵画に与えた影響を解説していて面白い。

本書は全編カラーなので非常に見やすいのがまず1点。モノによっては全体像だけでなく部分アップも紹介されていて、絵画の特徴が分かりやすい。

山田五郎史は講談社の雑誌『Hot Dog PRESS』編集長を務めただけあって、噛み砕いた表現や大胆な要約があり、素人には分かりやすく工夫されている。

また、同時代の日本文化についてもコンパクトにまとめていて、比較できるのも秀逸。

「西洋絵画史を変えた12人の隠れた偉人」ではカードゲーム風スタイルであまり知られていない人物を紹介していて興味深い

その時代の傾向を「無理やり美女に例えると・・・」で解説してるのはちょっと無理やりな気もしなくはないが・・・(笑)。

本書は帯に「名画鑑賞の楽しい道路案内!」「展覧会・美術展必携」とあり、美術鑑賞をより深めるための本という位置づけのようで、『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』のようにビジネスエリートが教養として知っておくべきというコンセプトではない。
ただ、中身を理解するためには本書のほうがより分かりやすく、西洋美術史を理解するならコチラをオススメ。







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『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』(木村泰司著/ダイヤモンド社)




『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』(木村泰司著/ダイヤモンド社/1,600円+税)。



ある週刊誌に紹介されていたので購入。
コンセプトが美術好きのためでなく、ビジネスエリート向けの西洋美術史で、表紙も絵画を入れずシンプルなものとし、書店ではビジネス書のコーナーに置かれるようアプローチしているというのに興味を持った。

「はじめに」では、「美術史は欧米人にとって必須の教養であり、欧米社会における重要な共通認識、コミュニケーションツールです。」とし、さらに「美術(それすなわち美術史)に対して造詣がないことは、むしろ恥ずかしいという認識が日本ではなさすぎるのです。」としている。

エピソードとして著者がカリフォルニア州大学バークレー校で美術史の上級講座を受講していたとき、物理専攻の同級生にその講座を受講している理由を尋ねたところ、「社会人になったときに自分のルーツの国の美術の話ができないなんて恥ずかしいじゃないか」と答えたとのこと。著者はこのやり取りがいまだに忘れられないとのことだ。

そんなワケで、美術が特に好きではないビジネスエリートに教養を身につけさせるということを目的に本書が執筆されている。

著者は「ただの美術品の説明ではなく、背景にある歴史や事件、文化・価値観など、「教養」としての美術史が学べるように心して記したつもりです。」としている。



さて、本編。
古代ギリシャ時代からルネサンス、印象派までを網羅。
確かに時代背景なども説明されていて、単純な美術品説明で終わっているわけではない。
また、本文中で紹介されている美術品はモノクロ画像だが、年表にはカラー画像が示されているので、問題はないだろう。

ただ、「(美術にさほど興味のない)ビジネスエリートのための美術史」というコンセプトであれば、もう少し工夫があってもよかったのではないかと思う。

ビジネスエリートになぜ美術史の教養が必要なのかと言えば、「政治や宗教と違い一番無難な話題」だからとしているけれど、通り一遍の薄っぺらい知識を欧米人に語っても相手の印象は良くないのではないか? むしろ、その時代・その地方・その作家の作品が日本でどう受け取られているか、あるいは自分がその作家・作品をどう感じているかを述べるほうが相手の印象は全く違うものになるだろう。

例えば、ルーベンス。本書では「バロック絵画の王」として3ページほどを割いて解説、『聖母被昇天』の画像が紹介されているが、日本で馴染みがあるのはTVアニメ『フランダースの犬』で最後に主人公ネロが死ぬ前に見たルーベンスの『キリスト降架』ではないだろうか?
あるTV番組で、現地オランダではさほど知られていないが、TVアニメを見た日本人が押し寄せるので、日本人向けの『フランダースの犬』関連グッズが売れている、というのを見た。
このような話題を提供できる説明があればよかった。

美術史とは若干ずれるが、最近の海外の超一流サッカー選手の中には日本のTVアニメ『キャプテン翼』の翻訳版を見て育ったという。ワタシは『キャプテン翼』を全く見ていないしサッカーもさほど興味がないので何も語れないけれど、もしビジネスの相手がサッカー好きなら、このような話題もビジネスの現場で有効なのではないか。

逆に本気で西洋美術史を語ろうとすれば、ギリシャ神話や旧約聖書などに精通しなければならないだろうが、本書ではさすがにそこまでをカバーしていない。
ワタシが西洋絵画の美術展を観ていて残念に思うことは、ワタシ自身がギリシャ神話や旧約聖書などについて無知なこと。これらについて知らないのだから、著者が言う「美術は見るものではなく読むもの」とするのに反し、絵画の表面を「見る」ことしかできない。
そういう意味では、著者はギリシャ神話や旧約聖書などのあらすじに少しはページを割くべきだったと思うし、絵画の背景をもう少し詳しく解説できなかっただろうか。



もう一つ、本書では近年の美術史として、アールヌーボー、フォービズム、キュビズム、シュールレアリスムなどについての記述がなく、クリムトやマティス、ピカソ、ダリなどについて全く語られていないのも残念。



ところで、ビジネスの現場で相手の国の文化や美術を理解しているということは相手にとって好感を持たれるだろうが、むしろ語るべきは日本文化・美術ではないだろうか?
「はじめに」でのエピソードでは同級生が「社会人になったときに自分のルーツの国の美術の話ができないなんて恥ずかしいじゃないか」と語っていることがまさにその通りで、日本人なら日本文化・美術の素養を身につけることが西洋美術史を勉強する以前にすべきことなのではないか? もちろん著者は西洋美術史家なので、自分のできることを執筆したに過ぎないのだが。

たぶん西欧の人々が日本文化と考えるものには歌舞伎・和服・茶道・相撲などがあると思うが、ワタシ自身、歌舞伎は東京在住時代にも一度もリアルに観に行ったことがなく、相撲も同様。茶道のたしなみもなければ和服は旅館で着る浴衣ぐらい。まるで日本文化の素養がない(笑)。
ただ、多くの日本人はワタシと似たようなものではないだろうか?

このような視点で本書を見ると、問題提起としては非常にユニークで意義あるものだが、内容としては消化不良だったのではないかと思った次第。





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