『LOVE♥日本酒2』(学研ムック)
![]() | LOVE 日本酒 2 (Gakken Mook) (2015/03/28) 学研パブリッシング 商品詳細を見る |
『LOVE♥日本酒2』(学研ムック/780円+税)。
「一番楽しくわかりやすい、日本酒入門書の決定版!」とある。表紙イラストは女性向けを意識?
2大綴込付録は「日本酒オーダー虎の巻」と「全国お取り寄せ完全案内」。
「日本酒オーダー虎の巻」は4つのコンテンツからなるB5サイズの持ち歩きを想定したもの。
1つ目のコンテンツは日本酒を味わいと香りで分けた4つのマトリクス表。
2つ目はおいしいお酒に出会えるオーダーベスト3。
3つ目は日本語お役立ち用語集。
4つ目は残念なオーダーベスト3(←ワースト3だろうに)。
2つ目のオーダーベスト3では、
其ノ壱 飲みたい味のイメージをなるべく詳しく伝えるべし
其ノ弐 過去に飲んで好きになった銘柄を伝えるべし
其ノ参 料理に合わせて店員さんに選んでもらうべし
となっているが、其ノ壱の例として「味は濃いめで、香りが華やかだけど、キレがあるお酒はありますか?」という聞き方を挙げているが、シロートが「香りが華やか」とか「キレがある」とかわかるんかなぁ? まぁ、そのようなオーダーをして出てきた酒の味を確認して香りやキレがどんなものかを勉強するつもりならいいが。
3つ目の日本語お役立ち用語集は一部で完全にピント外れあるいは曖昧な解説がなされており、このパートに信頼性を置くことができない。
「吟醸酒」を「低温の吟醸作りで仕込む。吟醸香が高く、すっきりした酒になる。」と解説しているが、精米歩合についての記述がないのはハナシにならない。吟醸酒は60%以下、大吟醸酒は50%以下であることが必須。この用語集では「大吟醸酒」でも具体的な精米歩合の数値の表記がない。
とはいえ、本誌「サルでもわかる日本酒ガイド」(P4)では、そのあたりがキッチリ書かれており、むしろこのページを虎の巻にすべきではなかったか?
「全国お取り寄せ完全案内」は日本酒ではなく、酒の肴の紹介。北海道から沖縄まで、73アイテムを紹介。URLまたは電話番号付き。
安いものでは360円の深谷ねぎ醤油漬けから、高いものでは7,032円の近江牛の霜降りまでイロイロ。1,000円程度のものも多く、敷居はそれほど高くない。
ワタシ的にはふぐの子糠漬け(石川県/1,600円)、生からすみ(長崎県/2,160円)、すっぽん胎卵の塩漬け(大分県/2,980円)に興味を惹かれた。全部タマゴばっかり(笑)。
なお、三重県産としてはとよや勘兵衛の熟成ソマガツオの塩切りスライス(500円)が紹介されていた。
前述の「サルでもわかる日本酒ガイド」は日本酒の種類、酒米の種類、日本酒ラベルの読み方、日本酒の製法がコンパクトに解説されており、シロートには分かりやすい内容になっていると思う。
「シチュエーション別 絶対に行くべき店50」。
東京に本社がある雑誌社の常として、東京の店が実に40軒! 大阪でも4軒のみ。福岡が3軒、秋田・岐阜・名古屋が各1軒という構成。このなかで行ったことあるのは東京『荻窪いちべえ』のみ。
「全国の有名地酒店に聞いた 2,500円以下の安ウマ晩酌酒ベスト5」。
全国の有名地酒店10店といいつつ、東京が7店、神奈川、大阪、福岡が各1店で、まるでバランスが取れているとは思えない(10店それぞれが全国の地酒を10本選んでいるが)。まぁ、ご参考に。
「全国地酒カップ選手権」。
このテの本で過去に取り上げられたことがないと思われるカップ酒を取り上げていて面白い。とはいえ、全国で20銘柄というのは少な過ぎ! 100や200は軽く紹介できるだろうに。
紹介されている中で1番興味深いのが静岡県志太泉酒造『志太泉 にゃんカップ』。ネコのイラストがネコ好きにはたまらん! 味も全国新酒鑑評会で17回金賞受賞の実力派だそうで。
「いま飲むべき日本酒132」。
「料理を引き立てる食中酒」とか「U-35 注目の若手が醸す酒」「日本酒スパークリング」「すいすい飲める低アルコール日本酒」などとカテゴライズされていて面白い。
三重県の日本酒としては木屋正酒造『而今 純米吟醸 八反錦』が紹介されている。このテの本で紹介される三重県のお酒は『作』か『而今』ばかりなのがちょっと残念。
「日本酒びんびんエクササイズ」。
グラビアアイドルの池田ショコラさんがブラトップにミニスカートのいでたちで一升瓶を持ってエクササイズ。二日酔い解消エクササイズとか酒太り解消エクササイズなど6つのエクササイズが紹介されているけれど、本当に効果があるのか?とか、一升瓶を持つ必要があるのか?とかの疑問が浮かぶ(笑)。これを見てエクササイズをする人、いるのかな?
ほかに「燗酒のつけ方講座」「家庭で “使える” 保存術」は実用的な内容。
いろいろ苦言も書いたけれど、これから日本酒を楽しもうという人たちには参考になること多し。
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