日本書籍出版協会の広告に疑問!





最近、購入したいくつかの雑誌に掲載されている日本書籍出版協会による本と雑誌の軽減税率を求める広告に疑問(上の写真)。



消費税が10%に増税される場合の軽減税率をどうするかについて、そのアイテム(分野)やシステムなどについていろいろニュースが流れている。

ワタシ的にはそもそも消費税の増税自体がどうなのかを改めて問いたいが、仮に消費税の増税が必要だとして、分野別の軽減税率については反対の立場を取る。軽減税率を行なえば、税収が少なくなってしまうし、分野ごとの団体と政府/官公庁とのよからぬ関係ができそうでよろしくないと思う。
新聞社も、例えばワタシが読んでいる中日新聞でも軽減税率を社説で訴えていたが、軽減税率を受ける代わりに報道内容になんらかの自主規制をかけたり、政府が新聞社に圧力をかけたりしないかと心配する。



ま、軽減税率の可否は大いに議論の上、決めていただければいいと思うのだが、本題は日本書籍出版協会による本と雑誌の軽減税率を求める広告。

この広告で訴えていることは・・・
1.ヨーロッパの先進国は出版物に軽減税率を適用している。それは文化・科学の発展のため、将来の国力のための投資と考えているからである。
2.日本では市町村という基礎自治体で「本屋ゼロの町」が増えている。
3.2014年の出版販売金額の落ち込み(前年比4.5%減)は1950年の統計開始以来最大となっている。
4.原因は同年4月に引き上げられた消費税の影響であることは明らか。
5.本屋さんの減少を食い止めるために、出版物に軽減税率を!

こんなところだろうか。で・・・
1については都合のいい例だけピックアップしているのではないかと思わないでもないが、軽減税率を訴える根拠としては納得できる。
2・3・4の現象は個別に見ればそれぞれ事実だろう。だが、「本屋ゼロの町」が増えているのは消費税増税が原因であるかのような表現になっているのには違和感がある。

同協会がデータの引用元として使っている公益社団法人 全国出版協会 出版科学研究所の「日本の出版統計」(下記リンク先)によると、コミックのピークは1995年、書籍のピークは1996年、月刊誌・週刊誌・ムック本はいずれもピークは1997年で以後減少傾向にあることがわかる(文庫本は94年から2001年まで減少した後2006年まで増加しているが、その後減少傾向)。

全国出版協会・出版科学研究所:日本の出版統計

1997年に消費税が3%から5%に引き上げられているので、消費増税を出版不況の原因にするなら、コミックのピークは早すぎるし、月刊誌・週刊誌・ムック本のピークは1年遅い。つまり、別の原因によって減少してきていると考えるのが妥当ではないだろうか。
長期的な出版不況についての原因が何であるかワタシは知らないが、ここ最近のことでいえば、大抵の情報はネットで得ることができ、週刊誌の売上が減少するのは当然のこと。1995年11月23日に発売されたWindows95の普及が関連していると思えなくもない。
また「紙のコミックに電子コミックを加えると市場は拡大している」としており、書籍類の電子化が進んでいることがわかる。

一方で本屋(小型書店)の減少については、当然のことだろうと思う。書籍の電子化も一要因だろうが、そもそも町の商店街がシャッター街になっており、これは大型ショッピングモールの出店によるところが大きい。大型ショッピングモールには大型書店も入っている。品揃えが多く買い物ついでに寄れる大型書店に品揃えが少ない小型書店が太刀打ちするのは難しい。一方、売れ筋の本はコンビニで買えるわけで、小規模な本屋に行く理由がない。
さらにアマゾンを始めとしたネット通販を利用すれば、大型書店以上の品揃えから書籍を選ぶことができるし、宅配便で自宅に届けてもらえる。

これらの理由により小型書店が減少しているのであり、消費税の増税が直接の原因であるとは考えづらいとワタシは思う。したがって、「本屋さんの減少を食い止めるために、出版物に軽減税率を!」という主張には無理があるように思う。
・・・というか、このような内容の広告、誰も止めようとしなかったのかなー???



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No title

たまたま通りがかったものです。

まったく同感です、今後色々な業界が財務省あたりにお土産をもって陳情に向かうと思うと悲しくなります。
経理も複雑になるので、多かれ少なかれ国全体の生産性も落ちますし、本来の貧困層への配慮なら上限を築けた一律給付の方がデメリットがなく、はるかにマシです。

Re: No title

jjさま、コメントありがとうございます。
軽減税率が最終的にどのような形で落ち着くのか分かりませんが、そもそも消費税が貧困層に不利な税制である上、それに軽減税率をかけるとしたらさらに貧困層に不利(高所得者層に有利)になるように思えます。
いろんな団体がいろんな理由を掲げて自分の業界の商品の軽減税率引き下げを主張していますが、見苦しく感じます。それなら消費税増税そのものに反対すればいい。増税はしかたないけれど自分のところだけは助かろうという根性が新聞社業界でさえあるというところに情けなく感じます。

No title

ご返信ありがとうございます。
新聞社業界もある時点で、「消費増税賛成」、「新聞は文化だから軽減税率が必要」となりましたね、読んでいて恥ずかしい限りです。

私も消費税は反対だったのですが、もし財務省が言うように消費増税しなければ本当に国家財政が破たんするとしても、軽減税率は??非常に理解に苦しみます。

私は軽減税率は、しないよりはした方が(極わずかながら)格差の是正にはなるのかな?とは思っているのですが、しかしその(極わずかの)為のデメリットの方が大きすぎて全く賛成できないのです。

事務処理コストの増大や、各種業界が便宜を図ってもらうための見返り(天下り先のポスト)などをつくったり、国全体の余計なシステムを増大させ複雑にし、日本の生産性を更に劣化させると考えています。

更に軽減税率を導入すれば10%以上の消費税も可能になってくる為、今後15%、20%、と上げてくるでしょうし(8%増税前から本来は消費税37%が必要とメディアで言ってました、(^^;)

但し、貧困層の負担もゼロで、事務処理コストもほぼゼロにできる、「上限を築けた一律給付 (当然ですが少し前に発表があった財務省案ではありません)」、なら消費税賛成です、というか私はそれ以上の方法を今のところ思いつきません。

Re: No title

jjさま、再コメントありがとうございます。

コメント内容、概ね同意いたします。
財務省・日本政府は財政が危ない危ないと言いながら、財政支出の削減には無頓着で税収アップばかりを考えているようですね。
カネ=権力ですから、政治家・役人にとっては財政支出の削減は自身の権力を下げる行為、税収アップは権力の増強。そう考えると軽減税率議論も腑に落ちます。
結局庶民は搾り取られて耐えるしかないのかと思う次第でゴザイマス。
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