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就活学生から新人ビジネスマンに最適の1冊『男の服装戦略』(石津謙介/チクマ文庫/昭和60年)



『男の服装戦略』(石津謙介/チクマ文庫/昭和60年/当時480円)

本書は昭和60年に出版されたものだが、ワタシ的には就活学生から新人ビジネスマンが必読すべき内容の本であると思う一冊。現在は絶版だが(笑)。

石津謙介氏はVANの創業者にして日本にアイビー、トラッドを紹介した服飾評論家の第一人者。「スウィングトップ」や「トレーナー」などの和製英語や「TPO(タイム・プレース・オケージョン)」など、数々の新語を世に広めている。



本書では経済的に豊かではない就活学生から新人ビジネスマンがどのようにワードローブを揃えるかについて適切な指南をしている。

たとえば、スーツを買うなら1つの色に揃えること。つまり紺系かグレー系か。普通は紺を買ったら次はグレーとなりがちだが、それに合わせる小物も揃えなければならないため、出費がかさんでしまう。なので紺系かグレー系かで統一してしまえば、無駄な出費が抑えられるという提案。
また、上着に対してパンツ(ズボン)は傷みが激しいので、2パンツスーツの購入も提案している。

靴・靴下は黒。デザインはオーソドックスなプレーントゥやウィングティップ、ストレートティップなど。デザインや色に保守的である一方、革底にかぎらず、雨に強い合成底を薦めていて、面白い。

シャツを選ぶ基準も、
1.自分の持っている全てのスーツにフィットする。
2.自分の持っている全てのネクタイがフィットする。
3.冠婚葬祭、全ての場合に着ることができる。
4.手入れが簡単である。
と合理的。綿100%にこだわることなく、綿ポリ混紡を推奨している。

なお、本書のプロローグで石津氏は「おしゃれと身だしなみは違う」と断じており、本書の構成を次のようにしている。
PART 1 ビジネスのための服装術
PART 2 結婚式とパーティの服装
PART 3 お通夜と葬儀の服装
PART 4 プライヴェート・タイムの着こなし

「TPO」という言葉を世に広めた石津氏だが、本書では「FOP(フォーマル・オフィシャル・プライヴェート)」という用語を使っている。
残念ながらこの用語は広まらなかったけれど、よい切り口だと思う。
「ビジネススーツは無地が最高」「ビジネススーツに個性は不要」さらに「ヒラ社員はドブネズミルックでよい」としているのが面白い。



現在はどの業種もややカジュアル化している傾向。ネクタイ必須がノーネクタイになったり、ワイシャツ着用がポロシャツなどに変わったり。とはいえ、今だにスーツ&ネクタイ着用が必要な業種もあるし、改まった席ではそのような着こなしも必要だろうから、本書の内容は今もって色褪せていないように思う。




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