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『イラストで読む 奇想の画家たち』(杉全美帆子/河出書房新社)



『イラストで読む 奇想の画家たち』(杉全美帆子/河出書房新社/1,600円+税)

『イラストで読む』シリーズの5冊目を入手(発行順では4番目)。
このシリーズは軽妙なイラストや文章で画家の人生や絵を解説していてわかりやすいのが特徴。

本書で主に取り上げられている画家は次の7名。
・ボス(1450頃〜1516)
・デューラー(1471〜1528)
・カラヴァッジョ(1571〜1610)
・ゴヤ(1746〜828)
・ブレイク(1757〜1827)
・ルドン(1840〜1916)
・ルソー(1844〜1910)
15世紀から20世紀まで幅広い時代から奇想の画家を選んでいるが、これは杉全氏のセレクトなのかな〜?

名前を聞いて「どんな絵を描いた誰か」がわかったのはルドンとルソーのみ(笑)。
絵で知っていたのは『ホロフェルネスの首を斬るユディト』(カラヴァッジョ)、『着衣のマハ』『裸のマハ』『我が子を喰らうサトゥルヌス』(ゴヤ)、『縦長の花瓶に生けられた野の花』(ルドン)、『眠るジプシー女』『人形を抱く子供』(ルソー)。



第1章 西洋絵画史における「奇想絵画の系譜」

13世紀後半のゴシック時代から19世紀後半のポスト印象派時代までの主な画風と代表作と奇想絵画を対比して紹介。それぞれの特徴が解説されていてわかりやすい。



第2章 奇想の画家たち 〜作品と人生

画家の人生の解説で面白かったのは・・・

・デューラー
自意識過剰気味なイケメン。ただ、イケメンなだけでなく描いた絵はスゴイ!
『野兎』の描写もすごいけれど、『アイリス』は日本画のような画風でちょっと驚き。

・カラヴァッジョ
絵は上手いのに喧嘩っぱやく、犯罪歴が多く、逃亡生活を送っっていたという話にビックリ!
「カラヴァッジョの絵画革命」解説にナルホドと思いつつ、『果物籠』のスーパーリアリズム的作品はちょっと意外。

・ゴヤ
その時々の権力に擦り寄る「ゴヤの波乗り宮廷画家人生」はなかなか面白いが、聴覚を失ってから一変した画風がむしろ興味を惹かれる。

・ルソー
ヘタウマ画風を突き進み公務員を辞めてしまうのもすごいけれど、詐欺の片棒を担がされた人生も面白い。



本書で取り上げられた奇想の画家にとって影響を与えたのが戦争を始めとする時代背景ではないかと読み取れた。

・ボスの生きた時代:終末思想と宗教改革前夜
・デューラーの生きた時代:終末思想と宗教改革前夜
・カラヴァッジョの生きた時代:ペスト流行
・ゴヤの生きた時代:スペイン独立戦争
・ブレイクの生きた時代:産業革命
・ルドンの生きた時代:普仏戦争
・ルソーの生きた時代:(普仏戦争) 

ちょっと面白かったのは、普通 社会情勢が悪いとそれに影響された絵を描くのだろうが、ルドンの場合、もともと虚弱体質だったのに普仏戦争に従軍して自分も十分やれると自信をつけて帰ってくるという意外な展開(笑)。


こんな感じの一冊だが、ルネサンスから近代までの絵画の潮流を概観するのに最適だし、今後 上記画家たちの絵を展覧会で観るときにより印象深くなるのではないだろうか?





    



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