FC2ブログ

『風神雷神 Juppiter, Aeolus(上・下)』(原田マハ/PHP研究所)

 




『風神雷神 Juppiter, Aeolus(上・下)』(原田マハ/PHP研究所/各1,800円+税)。 

本屋の店頭で見て即買い。俵屋宗達の『風神雷神図屏風』が大好きなワタシとしては、買わざるを得なかった。ちなみに作者の原田マハ氏のことは全く存じ上げず(笑)。
上下巻とも300ページを超える厚さなので、読み始めるまでちょっと躊躇してしまったが、読み始めたら引き込まれてしまい、2日で読み切ってしまった。

俵屋宗達は1570年代から1640年代あたりに生きたとされるがその生涯は謎に包まれているとされる。それをいいことに作者の原田マハ氏はとんでもない物語を作ってしまった!

プロローグは20XX年の現代。京都国立博物館研究員の望月彩にマカオ博物館の学芸員、レイモンド・ウォンが「風神雷神」が描かれた西洋絵画と、天正遣欧少年使節の一員・原マルティノの署名が残る古文書を見せたところから始まり、本章では一気に安土桃山時代へ。

原田マハ氏はこの小説で宗達を若くしてあの織田信長に謁見させ、その場で象の絵を描かせる。
のちに宗達を狩野永徳の助手として2枚目の『洛中洛外図屏風』(『安土城之図』?)を描かせる
さらにはその絵をローマ教皇に献上させるため、天正遣欧使節に宗達を同行させ、つまりはローマまで行かせるという奇想天外・クリビツテンギョウ(びっくり仰天)なストーリー(笑)。

ずぶといというか飄々とした宗達が少年使節の4人や宣教師ヴァリニャーノたちとの関わりでキリスト教について考えを深める過程あるいは神を信じる彼らの信仰の深さがなかなか興味深い。

また、ローマ教皇に謁見して日本に戻る途中のミラノで出会った少年カラバッジョとの友情。そして本章のエンディングが清々しい。
エピローグではまた現代に戻るが、余韻を残す見事な終わり方。



なお、プロローグで京都国立博物館研究員の望月彩は「琳派の幾人に描かれた『風神雷神図屏風』の中でも元祖・俵屋宗達の作が抜きん出ている。なぜならば、宗達の画は風神も雷神も端が切れているが故に動きと奥行きがある」と解説。まさにワタシが常日頃思っていたことを代弁してくれているようでウレシイ。

ちなみにワタシは宗達の『風神雷神図屏風』の実物を2回観たことがある。いずれも東京国立博物館だったと思う。1回目は宗達の作を単独で、2回目は『琳派展』でほかの尾形光琳作や酒井抱一作などと一緒に展示されていたとき。なんといっても宗達作が筆に勢いがあって大らか。風神・雷神の表情も飄々としていてどこかユニークだった。



そんなワケで、美術好きの方、とりわけ俵屋宗達ファンの方には超・オススメの2冊(ちょっと値は張るけど)。 



 


スポンサーサイト



テーマ : 本の紹介
ジャンル : 本・雑誌


コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

竹千代55

Author:竹千代55
カメラ・レンズやPC関係、生活雑貨など、ワタシが手に入れたいろんなGoodsまたは気になるGoodsを紹介するページです。ヘタクソな作例写真などもアリ.

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
リンク
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
検索フォーム
カレンダー(月別)
06 ≪│2020/07│≫ 08
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
月別アーカイブ
カテゴリ