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『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』(二宮敦人/新潮文庫)





『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』(二宮敦人/新潮文庫/2019年(単行本2016年)/590円+税)

一時期、テレビのバラエティ番組で取り上げられていた東京藝大。たぶんこの本が元で取り上げられたのではないかと思う。

そもそもは小説家の著者が編集者に「妻が藝大生(学生結婚)で面白い」と話したところ、「それ、本にしましょう」と言われたことがきっかけ。
取材は妻の知り合いからその知り合い、そのまた知り合いとツテを広げていってインタビューしたもの。

東京藝大は「芸術界の東大」と言われ、日本の芸術系大学の頂点とされる。が、その実態は学部・専攻によりかなり差があり、大学運営をはじめ、個々の学生たちがかなり特殊でバラエティに富んでいることを本書が示している。

東京藝大は上野駅を背にして右が美術部(美校)、左が音楽部(音校)と分かれている。美校に入っていく学生は全く服装に構わないか、自己主張の過激な服装。一方、音校のほうはモデルか芸能人かというようなシュッとした(関西人的表現。笑)格好・スタイルの学生ばかりのよう。音楽家は自分自身がひとに見られる職業なので、普段からそのような身のこなしを身につけているそう。

少数精鋭の東京藝大だが、美校はどちらかというと放任主義、音校は師匠(先生)と弟子の関係に近いらしい。
それに関連し、音校は時間に厳しく、美校はルーズ。音校のある専攻では授業の30分前に教室に入り、機材などの準備。余裕があればウォーミングアップ練習。一方の美校は教授でさえ時間をあまり守らず、ある教授会に定刻に来ていたのは一人だけ(笑)。

著者は音校・美校のいろいろな専攻の学生たちにインタビューしていて、一般大学の一般学生とは違う生態や考え方を聞き出している。

ただ、芸術界の東大ではあるが、1学年500名弱の卒業生のうち、就職するのが1割、大学院進学・留学するのが4割、そして「進路未定・他」が半数に及ぶという。

また、インタビューだけでなく、「藝大祭」のレポートがあったり、文庫版の巻末には東京藝大学長とのインタビュー(会話形式)があったり。「はじめに」と「あとがき」では、本書を執筆する発端となった著者の妻とのやりとりが描かれていて、東京藝大を多面的にうまく紹介している。 





  

 


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