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『フィルムカメラ・スタートブック』(大村祐里子/玄光社)




今さらながら『フィルムカメラ・スタートブック』(大村祐里子/玄光社/2,000円+税)

本書発売日からしばらく、本書と自分のフィルムカメラを一緒に撮影してSNSにアップするのが流行っていて、自分もやろうと思ったのだが、近所の本屋に売っていなくてそれきりになっていたのだが、たまたま普段行かない本屋で見つけたので購入した次第。
一応、ガラクタも含めるとフィルムカメラは110から35mm、6x4.5、6x6、4x5、ポラロイドまで一通り所有しているが、本書と一緒に撮るならということで、1つは35mmコンパクトのカーネルプチカメラ。もう1つは著者:大村氏とて絶対に持っていないであろう、ポラロイド TAZカメラ。ちなみに本書ではポラロイド(インスタント)カメラが含まれていないのが残念。

過去のエントリー:
ケンタの『カーネルプチカメラ』(2009-08-17)
ポラロイドのトイカメラ『Taz Camera』(2009-08-31)



ちなみに本書で紹介されているフィルムカメラは35mm全自動コンパクトカメラのキヤノンオートボーイAF35Mから35mm一眼レフのニコンNewFM2、6x6判のローライフレックス2.8Fなど多岐にわたる。
対象読者を初めてフィルムカメラを買う層と想定しているからか、分類としてビギナー向けがフルオートタイプ、中級が露出計内蔵タイプ、上級者向けがフルマニュアルという区分になっているところが面白い。なので、絞り優先AEのオリンパスXAが中級に入っている一方、6x4.5判のペンタックス645N II がビギナー向けに入っていて笑える。



さて、初心者向けの用語集「いろんなコトバ」。これからフィルムカメラを始めるなら知っておきたい基礎用語を47項目。
概ね間違っていないけれど、初心者向けに説明を省略したからと思うものの、若干、重箱の隅をつつきたくなる項目がある。

「AE/EE」。「AE」の説明としては問題ないが、「EE」の説明がない。もちろん「エレクトリック・アイ」の略であることを大村氏が知らないはずはないけれど、説明としては不十分。「AE」だけだったらケチをつけなかったが(笑)。

「ISO/ASA」。厳密には「ISO感度/ASA感度」。ISOは様々な国際基準を定める機構であり、そのうちフィルムの感度に関する基準がISO感度。本書の説明では誤解が生じるように思われる。が、目くじらを立てるのはワタシだけ?(笑)。

「被写界深度」。説明に「広角レンズほど深く望遠レンズほど浅い」とあり、間違いではないが、その一文を入れるなら、ほかに「遠くにピントを合わせると深く、近くでは浅い」、「絞りを絞るほど深く、開けるほど浅い」の2つを加えるべき。

「スプール」。「フィルムカメラの巻き上げ軸のうち、取り外し式のもののこと。ブローニーフィルムにある。」とあるが、「スプール」のもともとの意味は「糸巻き」。なので35mmフィルムのパトローネの中でフィルムを巻いているプラスチックの軸もスプールだし、35mmカメラでフィルムを巻きつける軸もやっぱりスプール。ブローニーフィルムを巻きつけている軸だけを指すものではない。



「フィルムカメラのお作法」。iPhoneで撮影した画像をそのままインスタに上げたりしている人にとっては、知るべき作法はいっぱいある。正直なところ、文字ばかりの見開き2ページで済ませているのはちょっとどうかな?

本書後半ではフィルム現像の注文の仕方や中古カメラ・レンズの選び方なども紹介されている。また、QRコードを読み取るとフィルム装填方法の動画ページに飛ぶといったウェブ連携もある。



本書は
(1)フィルムカメラを使う上での基礎知識
(2)具体的なカメラ及びお作法紹介
(3)作例紹介
が基本的なコンテンツとなっていて、それなりに上手くまとまっていると思うけど、本当にこれからフィルムカメラを使ってみたいという超・初心者向けに編集するなら、
(1)フィルムのお作法を知る! まずはレンズ付きフィルムで撮ってみよう
(2)フィルムの扱いがわかったら、次は簡単なコンパクトカメラで
(3)フィルムカメラに慣れたら、フィルム一眼レフにも挑戦!
(4)のめり込むならライカやローライなどもありますよ!
的な4段階ステップアップ方式もアリかなぁ、と。

ただ、フィルムカメラをこれから使いたい人はカメラ基準でこの世界に入りたいのかどうかは疑問。つまり「写ルンです」も「ライカ」も似たようなものという扱いかもしれない(バブル時代、おバカなギャルはアウディと当時流行ったマツダのキャロルを “カワイイ” という次元で同列に見ていたらしい。笑)。なので、丸っこくてカワイイ系からゴツいクラシック系などのカメラ一覧なんてものがあっても良かったかな?
・・・と書いてきたけど、まぁ余計なお世話(笑)。本書は本書でキッチリ成立している。



ちなみにワタシは今でも何台かのフィルムカメラを所有しているが、今後実際にフィルムを入れて使用することは、まずないだろう。
フィルムカメラはその場で撮影結果がわからないし、撮影枚数が限られるし、フィルム代・現像代がかかるし、ネットに上げるのも面倒だし、・・・などなど、デジタルカメラに比べて不満な点がいくつでも挙げられる。
それでもなおフィルムカメラを使うとすれば、極めて趣味的な作業だし、金銭的には金持ちの道楽ではないかと思う(そういう人たちや行為を否定するつもりはないけれど、まぁ勝手にどうぞという感じ)。



小言が多くなってしまったけれど、本書で紹介されているカメラにはそれぞれに大村氏の愛情がこもっているのがわかるし、作例も綺麗。

ただ、ワタシ的に一番の注目は大村氏がプロになったいきさつを知ったこと。
大卒後にウェブデザイナーをしていた本人がカメラの勉強を始めるためにカメラ店でバイトを始めたのがきっかけでカメラにのめり込み、ブログに掲載した写真がカメラ雑誌の目に止まって作品掲載。バイト先のカメラ店が店を畳んだ後はストロボメーカーのニッシンで勉強、さらにプロのアシスタントを2年経験して本格プロデビュー。なかなか面白い人生を歩んでいらっしゃいますなぁ。
ワタシはCP+のニッシンブースで初めて大村氏の存在を知ったのだけれど、その時の印象はコスプレをした面白いスタッフさん(笑)。
ところがいつの間にか大活躍。今後のご活躍を期待しております。







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