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『2040年の未来予測』(成毛眞/日経BP)




『2040年の未来予測』(成毛眞/日経BP/1,700円+税)

何かの雑誌書評を見て購入。「知っている人だけが悲劇を避けられる」という文言に惹かれて。

本書は4部構成になっている。
chapter #01 テクノロジーの進歩だけが未来を明るくする
chapter #02 あなたの不幸に直結する未来の経済---年金、税金、医療費
chapter #03 衣・食・住を考えながら、未来を予測する力をつける
chapter #04 天災は必ず起こる

本書「はじめに」では iPhone が例に取られている。日本で iPhone が発売されたのが2008年。つまり13年前には iPhone は存在せず、今のスマホなしの生活は誰にも想像できなかっただろうと。
だから今から約20年後を想像するのは難しい。とはいえ、未来を変えるのはテクノロジーの進歩であり、現在の新しいテクノロジーの萌芽を見ることで、未来が予測できるとしている。

本書では最新のキーワードが出てくる。
6G、AI、自動運転、RFID、IoT、LiDAR、空飛ぶクルマ、無人店舗、固体電池、監視カメラ、スコアリングサービス、オンライン診療、ゲノム編集、再生医療、ベーシックインカム、シェアリング、核融合、代替肉・培養肉、昆虫食、温暖化、南海トラフ地震、首都直下型地震、などなど。

テクノロジーの進歩が未来を明るくする、と言いつつ、一方で懸念材料も多い。エネルギー問題、高齢化問題、人口減少、過疎化問題、食料問題、天災など。



以下、ワタシの感想。長くなりマス。

本書で紹介されているテクノロジーの進歩は荒唐無稽なものが多く感じるし、懸念材料は納得するものばかりで、暗澹な気持ちになる。

テクノロジーそのものは現在よりもさらに進化するだろうが、法規制の改正など政治的な側面が関わってくる。日本は保守的だからテクノロジーの進歩に乗り遅れるのではないかと危惧する一方、拙速すぎる進歩にも危惧する。
完全自動運転が実用された時、万が一に事故が起きた時、責任の所在はどこにあるのか? また、ドローンや空飛ぶクルマが自分ちの上を頻繁に飛び交う世界が来たとして、空の上での事故や落下物による損害に対してどのように対策するのか? 将来解決されるのかもしれないが、ワタシ的には現時点では不安が大きい。

エネルギー問題では、福島原発事故以来、原発の運転・開発に多くの日本国民は否定的になっている。風力発電も遠浅の海が少ない日本ではコストが他国の3倍ほどもかかるそうで、今後どうなるか? 成毛氏は核融合と固体電池に希望を抱いているが、固体電池はともかく、核融合による発電所は実現可能なのか? ワタシは疎いので判断がつかないが、原発と何が違うのか? 安全性はどうなのか? 多くの日本国民も同じ思いだろう。

高齢化は特に日本にとって深刻な問題。社会が豊かになると結婚率が下がるという面もあるだろうが、現在の日本においては結婚したくても金銭的にできないという若者が多い。いずれにしても、随分前から問題は指摘されていたのにロクな対策を打ってこなかった政府に問題があるのではないか? 少子高齢化が進むから将来の年金に不安が起きるわけで、現在の生活を緊縮しようとする。経済がデフレなのも納得である。

日本では人口減少が進むが、世界全体では人口増加が進み、食糧危機が懸念されている。本書では代替肉・培養肉・昆虫食に注目しているが、牛に食べさせている大豆で代替肉を作るというのは合理的。
魚に関して成毛氏は遺伝子編集した魚を期待しているが、そもそもマグロやタイなど大型魚を有り難がる風潮はどうなのか? 養殖マグロの餌にされるイワシなどを人間が食べれば食糧問題は軽減されるのではないか? そもそも(特に日本人は)食糧を大量廃棄している。大量廃棄されるのは食糧が(今のところ)大量に安く入手できるからだろう。だから廃棄することに抵抗がない。いっそ食糧に税金をかけて価格を上げ、その税金で環境投資してはどうか?

天災については、地球温暖化、南海トラフ地震、首都直下型地震、富士山の噴火などが本書では取り上げられている。
ワタシ個人は世間で言われている地球温暖化については半分疑問に思っている。地球では氷期と間氷期が繰り返されていて、今は間氷期であること。だからいずれ氷期が来るであろうこと(それが何百年・何千年先かわからないが。笑い)。
一方で近年は大型台風や極端な豪雨が頻発しているのは事実である。もちろん、多くの地面がコンクリートやアスファルトで覆われてしまっては、災害時の治水が変化するということもあるだろう。
いずれにしても、台風や豪雨はある程度、気象予報によって対策ができる。
一方、地震は現在のところ予知ができないとされている。
南海トラフは今後30年以内に70〜80%の確率で起きるとされているらしい。首都直下型は同じく今後30年以内に70%の確率だそうだ。
「今後30年以内」というのが微妙なところで、これが「今後5年以内」だったら、その期間だけよその土地に引っ越そうとなるけれど、「今後30年以内」であれば当分は起こらないだろうという気持ちになってしまう。
残念ながらこれらの天災に対処できるテクノロジーについては語られていない。自分が住んでいるところの自治体のHPのハザードマップをチェックしておけということなどにとどまっている。


さて、本書を読んでワタシ的に総括すると、成毛氏は政治的な問題も取り上げているけれど、政治に期待をしていないということ。本当は政治が変われば少子高齢化問題やエネルギー問題、食糧問題などは解決の方向に向かうかもしれない、的な主張を期待したかったが。



最後に、本書の装丁について一言二言。


帯の「知っている人だけが悲劇を避けられる」の「避」の文字だけ銀の箔押しという贅沢な処理。帯そのものもコーティングされた紙でカネがかかっている。


そして本の小口部分(背表紙の反対側)。最初、前半ページの小口に黒い部分が2箇所あり、「なんじゃこれは?」と思ったが、表紙の「2040」の「2」の切れた部分が表されているのだと気づき、ナルホド面白い。
ただ、よくよく見るとワタシが購入したものでは97・99ページが95ページとの繋がりが崩れていた。理由は版ズレあるいは断裁時の微妙なズレだと思うが、印刷物にはこのようなズレは当然ある。そのようなズレを考慮せずにデザインしたのでこのような結果になったのだろう。
まぁ、ほとんどの人は気にしないだろうが(笑)。



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テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌


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