ポラロイド690カメラ



ポラロイド690カメラは1983年に発売されたSLR680カメラの後継機というか、ほとんど復刻機のようなもの。

ベースはカメラ業界に衝撃を与えたSX-70であり、さらにソナーオートフォーカス機構とストロボを搭載することにより、ずいぶん細長いスタイルとなってしまっている。
ちなみにSX-70は1972年に発売開始し、日本での発売は1974年からとのこと。SX-70は自動露出、自動巻き上げを実現しており、SX-70ソナーオートフォーカスにおいて自動焦点まで達成している。


このペッタンコのものがワンタッチでへんちくりんな(失礼!)撮影スタイルに変わるのだから驚きである。設計者は天才だとしかいいようがない。


 

そもそもポラロイドのモノシートタイプフィルムを使うカメラは光学系にミラーを1枚入れてカメラ全体の形状をコンパクトにしているのだが、通常はレンズからの光をファインダーに導きながら、シャッターボタンを押すと内部のミラーが跳ね上がり、フィルムの方に光を導き、また元に戻すのである。
その光路は外側から想像するよりも複雑なルートをたどっており、ビックリした。もちろん、この光学系はSX-70からのもの。それをペッタンコにするのは高度な立体パズルのようなもの。


SLR680および690カメラはストロボも含めた完全自動制御を達成している。
オートフォーカスはポラロイド独自の超音波方式。レンズの上の蜂の巣のような「トランスデューサー(静電変換機)」から超音波(60、57、53、50KHz)を発射し、被写体に当たって戻る超音波を同じトランスデューサーで受信し、超音波の戻る時間によって距離を測るというもの。

左の写真ではローラーが見えているが、本来この状態では見えない。長い年月閉じたままにしていたためか、フラップのバネがへたってしまったようだ。


最短撮影距離26cm(1/2倍)まで128ステップに区分けし、高精度の測距を実現している。
面白いのは、AFに連動してストロボの角度も変わること。なかなか細かいところまで配慮している。

今は所有していないが、オプションで等倍撮影が可能なクローズアップレンズが用意されており、この場合はAFが効かなくなるのだが、ファインダーでピントを確認できるところは素晴らしい。なお、等倍撮影時にストロボを使用する場合は露出補正も同時に行なう必要がある。


このカメラを「完全自動」と書いたけれど、一方で撮影者の意思を活かすこともできる。
ピント合わせはマニュアルフォーカスも可能で、ファインダーできちんと確認することができる。
写真はAF解除レバー


露出補正もダイヤル方式で無段階にプラスマイナスの調整が可能。


ストロボも基本は常時発光だが、オフにすることもできる。



押すだけカメラのように思われるポラロイドカメラにあって、このように細かい調整のできるカメラは珍しく、アマチュアよりもむしろプロや業務用途で使用されていたと聞く。

最大の難点はフィルムにバッテリーを内蔵しているため、フィルムがないと動かないこと(笑)。現在ではフィルムを入手すること自体が困難なので、もはやインテリアにしかならないのが残念である。





参考資料&引用:日本カメラ別冊『ポラロイドの世界』(昭和60年発行、定価2,500円/日本カメラ社)

スポンサーサイト

テーマ : ★カメラ&レンズ・機材
ジャンル : 写真

tag : ポラロイド 690 SLR680 SX-70


コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

竹千代55

Author:竹千代55
カメラ・レンズやPC関係、生活雑貨など、ワタシが手に入れたいろんなGoodsまたは気になるGoodsを紹介するページです。ヘタクソな作例写真などもアリ.

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
リンク
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
検索フォーム
カレンダー(月別)
07 ≪│2017/08│≫ 09
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
月別アーカイブ
カテゴリ